副代表の栗原です。

夏終盤、でもセミナーのシーズンはこれからです。
講師一同、気合いを入れ直しております。

では、本題に入りましょう!


■姿勢と死勢

活法の勢いは止まりません。
時代が活法を求めているのだと思い込んでいます。

古くからある活法ですが、古めかしいどころか理論は最新です。機嫌がよくなると、「ようやく時代が活法に追いついてきた」と冗談で発してしまうのですが、本気です(笑)

私は活法にはまっている理由は効果だけではありません。理論に惹かれています。実用的で合理的な考え方が現場でとても役立つのです。その一例に姿勢があります。

碓井流では、「姿勢」は「死勢」であると考えます。

「姿勢を正しなさい」と学校で叱られ、胸を張るようにして背筋をピンと立てる。その姿がよい姿勢であるように言われていますが、私たちは「死勢」と呼んでいます。なぜなら、身体を緊張させて真っ直ぐにする行為は動きを止める行為だからです。動けない状態は「死勢」です。

キレイに立っているように見えても、いつでも自由に動ける状態でなければ死勢です。よく見る姿勢論は、「直立不動で真っ直ぐに見えるのが健康」という考えが基本で主流かと思います。私自身もいくつかのセミナーで練習した姿勢チェックはそうした内容でした。ところが活法は違うののです。直立不動な時に真っ直ぐかどうかを健康の基準としません。


■矯正

誤解のないように補足しますと、「真っ直ぐ」がダメなのではありません。動ける結果としての真っ直ぐでなければ意味がないのです。真っ直ぐで動けないより、曲がっていても動ける方がよいと考えます。身体には癖があります。その癖には、生まれつきものと生活環境によるものがあります。生まれつきのものに関して、活法は否定しません。

例外もありますが、原則として矯正はしません。矯正は術者(本人以外)の視点で正しいとする基準を設けます。いっぽう、我々の活法では、「正しいかどうかは(患者)本人が決める」のが鉄則です。動きやすいかどうかのテストを行って正しい状態を見つけます。

他者が決めた「正」と本人が決めた「正」が一致していれば矯正は健康に導きます。だから矯正が一概に間違っているとは言えません。


■調整

私たちは、整体術に対して「調整」という言葉を使います。調整の正解は相手が知っています。相手に問えば明確な応えが返ってきます。基本的には「動きやすさ」と問います。たとえば、導引というカテゴリの技では、動きやすい方向に動かすことで痛みや違和感を取り、動かしにくい方向に動かすことで力を回復させます。

「痛みが軽減すると同時に動きがよくなる」

という変化を期待できるのです。この特性を活かす分野としてスポーツが挙げられます。活法研究会本部では、スポーツ分野への本格的な応用に手が届いておりませんが、幾人かの会員は具体的に動き始めています。その一例に、モーグルがあります。スキーでコブを滑ってジャンプ台でクルクル回る、あの競技です。

特にモーグルという競技は、「動いてバランスをとる」という意味を伝えやすい競技です。一瞬でも動きを止めたら転倒ですから。動いているから安定する、という活法の思想をそのまま表しています。滑走中のシルエットが美しく見えるのは動きのよい選手です。

これを「活勢がよい」と呼ぶことにします。

モーグルのコークスクリュー練習風景

ジュニアのモーグル選手の練習の様子。調整に参加した会員さんが撮影したものです。モーグルに限らず、スポーツのパフォーマンス向上に興味のある方は活法研究会にご連絡ください。人材を紹介できるかもしれません。


■視覚障害者も

話はガラリと変わりますが、視覚障害のある鍼灸師にも活法は広がっています。実際に視覚に障害を持つ鍼灸師が活法研究会で学んでいます。程度によって、できる範囲が変わってきますが、現場で使用して評価を上げている鍼灸師もいらっしゃいます。

その方が、先日盲学校からの要請に応じて活法の体験会を行いました。手応えを感じるいっぽう、ハンディキャップを考慮した指導法も必要になるとの感想でした。ハードルはあるにせよ、幅広い分野から活法が注目を浴びていることは間違いありません。

盲学校での活法

活法には可能性があります。
その可能性に社会が気がついたばかりです。