活レポ(活法研究会)

古武術整体「活法かっぽう」の症例報告とセミナー情報

2016年02月

鍼灸師に10年の修行は必要か...ゲシュテルとテクネーで考える

副代表の栗原です。

技術屋として分かりやすいと思った記事があったので紹介します。

寿司の技術は1年で学べるか?〜ホリエモンの提言を考える

ここで話題となっている2月15日の『たけしのTVタックル』を見たブロガーの記事です。残念ながら、私はその番組を観ていません。

記事から一部を抜粋させて頂きます。

「コロンビアで寿司屋を開きたいのですが、どう思いますか」

というネット上での質問に、ホリエモンが

「いいんじゃない、今は寿司アカデミーとかで数ヶ月でノウハウ学べるし。昔の『10年修行』は、弟子に教えないということ」

とコメントしたことが発端。

ホリエモンの主張を要約してしまえば、寿司の技術は徒弟制度などに頼らなくても短期間で養成できるというものだ。これがネット上で反響を生んだ。その多くがホリエモンの意見を援護するものだったのだけれど……。

堀江さんがこうした発言をしたことがあるのは知っていました。ネット上で反響を生んだ時、私も「おおぅ!」と思っていました。思うところがあっても、「合っているようで間違っているような...」と上手く説明することがないまま、時を過ごしてきました。

ありがたいことに、『寿司の技術は1年で学べるか?〜ホリエモンの提言を考える』が、私の違和感をすべて払拭してくれました。とてもわかりやすいです。


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■2つの技術(ゲシュテルとテクネー)

技術を「ゲシュテル」と「テクネー」という用語で分けています。ハッキリ言って、このあたりの言葉の意味は理解出来ていません。技術を2つの要素に分けて論じている点に、グッと来ました。哲学者のM.ハイデガーによるものらしいです。

このブログから、ゲシュテルとテクネーのポイントを整理すると次のようになります。

 ゲシュテル = マニュアル的な技術
 テクネー = 長年の蓄積の中で身体に蓄積されたスキル

 ゲシュテル = 教えられる(他人から提供されるもの)
 テクネー = 教えられない(自分で得るもの)

このブログの管理人の意見に賛成で、堀江さんは「コロンビアで寿司屋をするならば、マニュアル的な寿司の握り方でもビジネスになる」と言いたいのだと思います。

寿司を極める職人になるのか、寿司を扱うビジネスをするかで、技術という言葉の意味がだいぶ違ってしまいます。全く同じことが鍼灸や整体の世界でも言えます。


■あって当たり前の技術とは

「技術はあって当たり前」という言葉を目にする機会が何度もありました。私の感覚では、技術の追究に終わりがないので、どこまで行っても「当たり前」になることはありません。

でも、「サービスとして成立する最低限の技術はあって当たり前」と説明されると納得できます。つまり「技術はあって当たり前」という言葉はゲシュテル的なものです。

私はこれまで都合よく定義をあいまいに「技術」という言葉を使ってきました。ゲシュテルを「カリキュラム」や「マニュアル」という言葉で表すことが多く、テクネーを「技術」という言葉で表すことが多かったと思います。

これらは相反する概念ではないのだろうと思います。カリキュラムやマニュアルは習得を簡単にしてくれます。手順や方法を明記する方が明らかに上達が早いです。

極めれば、整体でも鍼灸でも感覚の世界なのかもしれません。だからと言って、最初から「見て覚えなさい」では、習得に時間がかかりすぎて現実的ではありません。鍼灸師になって「修行には10年かかる」と言われたら、途方に暮れてしまいます。

「見て覚えなさい」という風習は“習い事”では正解でも、“ビジネス”では悪習でしかないと思います。実際、10年間も通い続けなければならないセミナーは成立しません。


■とりあえずの結論

おそらく、こういうことだろうと思います。

 ゲシュテル = 相手の利を追究(相手のため)
 テクネー = 自己の追究(自分のため)

「それって自己満足だよね」という言葉も頻繁に耳にします。仕事であるにも関わらずゲシュテルの重要性を忘れ、テクネーを追究する姿勢への批判だと理解できます。

 ゲシュテル = 教育者が大事にする
 テクネー = 職人が大事にする

「技術者・研究者」と言われる人間は中間に位置すると思います。

 「ゲシュネー」なんて言葉はありませんが、私はそこを目指そうと思います。教育者になりきれない、職人になりきれない、という中途半端さが目立たないように気を付けながら。

活法研究会のセミナーは、ゲシュテル系です。2日間でどれだけ手順を覚え、失敗しないコツをつかんで帰って頂けるかを追究し、そこにコスト(労力)をかけています。

<鍼灸師向けセミナーのご案内>
2/28 1日体験会(下半身編) 
3/6 1日体験会(整体塾) ※柔整師・整体師対象
3/27-28 整体☆肩こり編 ※柔整師・整体師対象
4/10-11 整体入門☆腰痛編
4/17-18 整動鍼☆脊柱編(A日程
5/8-9 整動鍼☆脊柱編(B日程

整動鍼の魅力を『秘伝』が伝える

副代表の栗原です。

「整動鍼™をご存じでしょうか?」

と言ってみたものの、生まれたばかりの言葉なんです。使い出したのは昨年末です。それまでは「古武術鍼法」という名で通していました。古武術鍼法と整動鍼は全く同じ意味です。

でも、本当はニュアンスが違います。

「古武術鍼法」は「古武術整体」に対する言葉で、
「整動鍼」は「整流鍼」に対する言葉です。


■古武術整体と古武術鍼法

古武術整体とは、柔術の裏技として継承されてきた蘇生術や整体術です。発祥当時は蘇生術や整体術という言葉ではなく活法と言っていました。活法の反対語は殺法です。

古武術鍼法は、古武術整体(=活法)の考え方をベースに行う鍼法という意味です。

この古武術鍼法と整動鍼は同じ意味ですが、整動鍼は、従来の古典鍼灸を意識して付けた呼び名です。従来の鍼灸が「身体の流れを整える」ことを主眼とした治療であると仮定し、「整流」いう言葉で置き換え、「身体を動きを整える」ことを主眼とした治療を「整動」という言葉で表現しました。


活法研究


古武術鍼法と整動鍼は同じ意味ですが、古武術鍼法と言えば「古武術」が際立ちます。古武術整体の発想をヒントに生まれたことは間違いないのですが、古武術そのものではありません。また、古武術の実力とも関係ありません。現に、私自身が古武術の使い手ではありません。できるのは「古武術整体」のみです。

誤解をされないように、古武術鍼法の特徴である「動きを整える」という要素をそのまま表現し、「整動鍼」とすることにしたのです。この立場から見ると、従来の鍼灸は「流れを整える」という傾向が強いので「整流鍼」と(ある意味勝手に)呼ぶことにしました。

整流のど真ん中を歩む鍼灸家の目には、「整動鍼」は古典を無視しているように映ってしまうかもしれません。しかし、整動の世界は確実に存在しています。ツボには流れを整える効果と同時に、動きを整える効果があります。どちらも同じくらい健康を保つ上で重要です。


整動と整流


「整動」という概念は、まだ始まったばかりです。ですから、奇異な存在として見られているかもしれません。しかし、今だけです。すぐに「整動」という概念は無視できないものになります。そうなるように頑張ります!

動きを整えるというテーマは、流れを整えるのと同等レベルで重要なテーマです。整動鍼は、主流派から外れた傍流的な存在を意味するものではありません。とはいえ、まだ研究は始まったばかりですから少数派です。多くの鍼灸師に参加して頂きたい時期です。

ツボの整動効果を知ってしまった以上、具体的な運用方法を伝えずにはいられません。でも、慎重にならないと、ただの特効穴集だと思われてしまうので焦らないようにしています。


■『月刊 秘伝 3月号』の記事

昨年末、『月刊 秘伝』さんから取材のお話を頂きました。一般の方を含め、多くの鍼灸家に整動鍼を知って頂く機会になると思って喜んで協力しました。

鍼灸師のセミナーが武道・武術系の専門誌に取り上げられるという、希なことが起こってしまったのです。「古武術鍼法・整動鍼」という、イイトコ取りをしたタイトルになっているところはさすがです。

この記事は、私が書く以上に整動鍼の魅力を伝えています。あういう凛とした文章は私には書けません。「有り難い」の一言です。

『月刊 秘伝』の3月号は、全国の書店やAmazonで手に入るので、興味のある方はお手に取ってください。

『月刊 秘伝』2016年3月号


直接見たい方は当会主催の体験会に足を運んでください。古武術整体(活法)と、古武術鍼法(整動鍼)のどちらも体験することができます。「動きを整える世界」に誘います。

 活法研究会主催 1日体験会 上半身編(2/21)、下半身編(2/28)

ちなみに、先月発売となった『これが活法だ』は売れ行きが好調です。既に第二弾に向けて気持ちが動きはじめています。「幻の古武術整体」と名付けてあるのは大げさではなく、誰も継承せずに師匠が亡くなれば本当に幻となります。今のうちに映像に残していくのも重要な仕事です。リーズナブルな価格で提供していきたいと思います。

↓現在、Amazonで品切れです。

一手で改善、幻の古武術整体 即効! これが活法(かっぽう)だ [DVD]
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