副代表の栗原です。

最近、整動鍼で登場することが増えましたが、今回は整体の話です。

むち打ち症に対して、活法整体のみで対応した症例があるので紹介します。
患者さんは五十代の女性。1年前に交通事故に遭ってから、次のような症状で悩んでいました。

・右頚の痛み
・頭痛(左右)
・右目の奥の痛み

最初は整形外科。
その後、接骨院で1年間治療を続けていました。

なかなか良くならず、私の鍼灸院に通っている妹さんの紹介でお見えになりました。

活法では、むち打ちの際にまず確認するのは事故の状況です。どういう場面で衝突したのかが重要です。方向や強さだけでなく、その時、運転席に居たのか助手席に居たのか、など細かく確認します。状況によって、どこに負担のかかった部位(関節や筋肉)とその質を判断したいからです。

この女性の場合、運転席で信号待ちをしている際に、突然後から衝突されたのです。その時の車は修理して乗っています。不意打ちであったかどうか、またハンドルを握っていたかどうか、こうした情報が原因を探す重要なヒントになります。

ハンドルを握っている場合、衝撃が入った瞬間に体を支えようとして手指にギュッと力を入れるものです。つまり、手指に痛みがでなかったとしても、その衝撃と共に大きな負担がかかってしまうのです。特に衝撃と共に起きた負担は、心にも体にも記憶にしっか残ります。

身心に刻まれた衝撃の記憶

これが、むち打ち症の本質的な問題だと考えます。

1年間治療を続けても症状が取れないのは、痛みのある頚の筋肉に直接施術してきたからです。原因にアプローチしていなかったのです。念のため、実際の施術内容を尋ねて間違いないことを確認しておきました。

刻まれた記憶を解除するために、まず行ったのが扇。

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整体入門(肩こり編)


この技は、手に残っていた衝撃の記憶を消すためです。
痛みのある頚と同じ右側を使いました。まず、頚の左右の可動域が大幅に変わりました。1年間悩んでいた痛みがスッと消えてしまったのです。

次にアプローチしたのが膝への衝撃です。
ブレーキを踏んでいた右脚に負担がかかっていると考えたからです。

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整体基礎(下半身編)


腓骨に軽い衝撃を加える「腓骨上げ」という技です。これによって、頚の付け根の緊張を解き、安定化させるのが目的でした。

残っている緊張を探してみると、頚の右側面に残っていたので、股関節からアプローチしました。「側軸通し」というこの技は股関節を貫く軸を調整することができます。股関節が整うと頚の余分な力が抜けていきます。体はそういうふうにできています。

側頚の緊張が解けたので、仕上げは意識に対するアプローチです。

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整体入門(肩こり編)


頚など、脊柱は特に意識の持ち方で可動性が大きく変わります。動くと思えば動き、動かなくと思うと動かなくなる性質があります。無意識にある思念は自分ではどうにもなりません。これを強制的に変えてしまうのが、この「頭の無重力」です。

さらに可動域の広がるのを確認しました。
こうして、1年ぶりのスッキリをようやく取り戻せたのです。

再び、痛みや緊張が出ても、何度か繰り返すうちに、本来の良い状態が記憶に上書きされていきます。そして、いつのまにか悪かった状態を忘れてしまうでしょう。

意識に刻まれた記憶は、残念ながらレントゲンにもMRIにも写りません。
検査で異常がない時は、記憶を探ることができる活法がたいへん役立ちます。

今日、明日の2日間は、今年最後の整体入門(肩こり編)セミナーです。
来年に肩こりを持って行かないようにしたいですね。