副代表の栗原です。

今回は、痛み、姿勢、動き、脳の関係について整理します。活法が、なぜ瞬時に痛みを取ることができるのか、その理由を明らかにします。

痛みの正体

この動画を観てからこの記事の読んでも、記事を読んでから動画を観ても、活法への理解がいっそう深まります。活法は、最先端の鎮痛機序を利用しているのです。


動画/ダッテルン、フェストこども青少年病院 ドイツこども痛みセンター

本来は必要でない痛みが体にあっても、それが本当に必要な痛みなのかそうでないのか、脳が混乱して区別できなくなってしまうことがあります。調べても原因がわからず慢性的に居付いている痛みは、脳の勘違いによって引き起こされたものです。
あなたの脳は勘違いをする
痛みは体の異常を知らせるSOSとしての役割があります。しかし、時にSOSが必要ないのに「痛み」を脳が作り出してしまっているケースが多々あります。

実は、必要のない痛みに苦しめられていることが多いのです。こうした痛みから解放されるには、脳の記憶を書き換える必要があります。脳の記憶を書き換えるために、活法では「動き」に注目します。脳は動きを記憶しているからです。

姿勢は動きの一部

想像してみてください。嬉しいことがあった時のことを。逆に嫌なことを思い出してみてください。思い出すエピソードによって表情も一緒に変わっているはずです。変化するのは表情だけではありません。体のあちこちで感情による変化が表れています。気分次第で姿勢も変わりますよね。

姿勢は「動き」を切り抜いたものですから、姿勢も動きの一部です。つまり、姿勢や動き方を見ることは、脳の記憶を探ることでもあるのです。記憶はインパクトが強かったものや反復されたものの方が深く刻まれます。痛みも同じです。なかなか消えない慢性的な痛みは、深く刻まれた記憶なのです。その記憶を消去したいのであれば、そこに上書きしなければなりません。その時も、インパクトや反復が必要です。

脳を騙すトリック

こうした考え方で治療を行う時は、「よい状態をしっかり印象づける」ことも必要です。一旦、痛みがあることを印象づけてからその痛みを消す、なんていうトリック的な手法もあります。脳を騙すテクニックです。これをズルイと思う人もいるかもしれません。しかし、この「騙し」はとても重要なのです。この部分を理解できるかどうかで、活法の本質にたどり着けるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

マジックのイラスト

脳の記憶は反復でも上書きされますが、素早く上書きするために必要なのはインパクトです。そのインパクトに必要なのは落差です。ビフォーとアフターを脳が比較した時に感じる落差です。これに加えて左右差が重要です。左右を比べたときの印象の違いです。

私たちが活法を行う時、脳がすぐに気が付くように「わかりやすさ」を重視しています。わかりやすい、ということが脳に強いインパクトを与えます。脳が痛みを作り出す仕組みを知っていれば、違いのわかりやすい施術ほど良質なものとなります。

活法は「脳の働きを正常化させる」ものです。

「心理トリック≠活法」ですので間違わないでください。ビフォーアフターの差や左右差を、施術によってつくり出していなければ、まやかしになってしまいます。活法は心理学を利用しているわけですが、活法が心理学を後から取り入れたのではなく、心理学的要素が最初から盛り込まれているのです。活法が、武術の裏側として誕生したというルーツを知ると腑に落ちると思います。

まとめ

活法は「動きを変化させ、それを印象づける」ものです。その裏側には、脳の性質を上手に利用する心理トリックもあります。直接的には、皮膚、筋肉、骨にアプローチするのですが、その本質は、皮膚、筋肉、骨を通じて脳の記憶を上書きしているのです。もしくは、ネガティブな情報をキャンセルして、本来の動きを取り戻すように働きかけているのです。

このように、活法を語る上で無視できないのが脳なのです。解剖学や生理学で評価しても、活法の真の価値は見えません。脳科学の分野から評価した方が真の価値が見えてくるはずです。

こうした活法の知恵は整体だけでなく鍼灸にも活かすことができます。活法研究会では、活法を整体と鍼灸という2つの分野から研究しています。

活法研究会でのセミナー風景
写真/碓井流活法創始者:碓井誠


活法研究会 http://kappolabo.jp/